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| 〔困ったなあ、その5〕製造物責任(PL)問題も徐々に顕在化しています 2005-2-22 |
中国では、民法通則(日本の民法に該当)、産品質量法(通称:製品品質法)および消費者権益保護法によって、いわゆる製造物責任(PL)が問われることになっていますが、日本や欧米諸国におけるほど概念がはっきりしていないようです。
曖昧な分だけ事前に対応しにくいわけですが、他方、対処を誤ると大変な損失を被ることになりかねません。今回の「困ったなあ」は、困った事例(PL事故例)および関連するQ&Aをお届けいたします。
⇒ 中国進出日系企業のPL事故例と特徴 
⇒ Q&A 
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| 〔困ったなあ、その4〕『中方出資会社は「昔の名前で出ていませんか?」 』2005-2-1 |
会社定款に変更事項が生じた場合、工商行政管理総局への変更登記が必要なことは既に申し上げましたが、中方出資者が「改制」と呼称されている他の組織との統合や吸収合併によって@出資会社名の変更、A法定代表人の変更、B出資者の変更等発生していないでしょうか?
朱鎔基首相の時代(1998〜2003年)には中央政府の機構改革、国営企業の再編が意欲的に推進されたことは皆さんご存知の通りですが、貴社のパートナー、パートナー会社においては本当に何の影響も起きなかったのか、確認されていますか?もし、何の連絡、通知も無かったからという理由でチェックされてないとしたら、些か心配です。
A社総経理は董事会決議を終えて、『A社の日方出資比率を2/3以上の75%、中方25%』に変更することが決定し、部下に定款変更の届出を依頼しました。ところが、部下は戻って来て「総経理!中方出資会社の名称が変更になっていて、工商局は届出を受理してくれません。決議も無効だそうです。」と報告してきました。日頃から冷静沈着タイプの総経理はジックリ部下の報告内容をヒアリングしました。
その結果、判明したことは現C董事長のパートナー会社は6年も前に「改制」によって全く知らないD企業集団公司に吸収合併され、社名も変更されていました。早速、A社総経理はC董事長に電話し、事実は部下の報告内容通りであることを確認しました。董事長は、「改制で上部機関からの指示に基づいて変更された。でも、実質的に大きな変更ではないから心配することはない。」と泰然と応じただけで、悪びれた様子もありませんでした。
A社総経理の方にすれば「とんでもない話」です。確認しなければならない事項が山積です。
1) C董事長の地位確認と董事長職に留まって貰うことの妥当性の確認
2) D企業集団公司の概要把握と傘下の競合会社の有無、「改制」後のパートナー会社の出資構成と新規出資者とその出資適格性の確認
3) 本社や関係職能部門への釈明と了解の取り付け
4) 定款内容の必要修正箇所の確認、修正と新会社定款の作成並びに工商行政管理総局
への届け出、申請、等々。
A社では総経理の督励の下、なんとか2ヶ月足らずでこれらの作業を完了し、登記内容も正しい内容に修正完了出来ました。しかし、最も信頼すべきC董事長にしてこの程度の
配慮しか出来ないのか、と胸中に風が吹きすさぶ想いを感じざるを得ませんでした。
【ひとことアドバイス】
工商行政管理総局はいわばすべての企業の登録管理機関です。貴社が合弁会社でどれだけ厳格に管理体制を敷いたとしても、抜けがちになるものの一つは中方パートナー会社の登記事項内容の変更です。
朱鎔基総理が打出した『三大改革』(@国有企業の改革、A金融改革、B行政改革)は、朱総理が「自分の棺箱を用意しておけ。」と部下に命じたと言われるほど凄まじい勢いで展開されました。その過程において、中方パートナー会社の合併、併合や社名変更等、様々な嵐が吹き荒れました。
念の為、しっかり貴社の中方出資者会社の登記内容の変更有無を総経理として確認されておくことをお勧めしておきます。
〔提供:JETRO海外投資アドバイザー 北村 庄司〕 |
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| 〔困ったなあ、その3〕『「董事会」のスムースな運営方法』2005-1-18 |
長老だったケ小平氏の『南巡講話』が公表されて、日本企業の対中投資ブームが’93年頃から発生しました。当時は中国の実情、実態も十分には把握出来ておらず、ほとんどの日系企業は合弁形態で事業をスタートしました。あれから10年余が経過し、ここ数年来、独資化傾向が顕著化しています。
合弁会社の運営に当っては、出向責任者の皆さんは本当に寛容と忍耐を強いられ、ご苦労を重ねて来られました。総じて申せば、当初は中方パートナーである董事長や副総経理の『闇夜の提灯役』としての役割に数多く助けられもしました。そうした体験を積み重ね、日方出向責任者は、徐々に関係官庁にどのように理解を求め、指導を仰ぐべきかを習得し始め、ノウハウを積み重ねることで独資化への道を切り拓いてきたように見受けます。激化するグローバル競争の中で、迅速な戦略決定と変化を求める親会社の意向もあり、中方利益の確保にのみ固執する中方パートナーとの間に軋轢が生じ、それが拡大する中で独資化の流れが大きな奔流となり、今日に至っています。
最近は、こうした経験もなく最初から独資会社の道を選択される企業も多く、傍目には中国側の諸官庁を相手に徒手空拳で大丈夫かなと、不安を覚えるケースも散見されます。
しかし、一方で、依然として合弁会社形態のまま日中両者間の狭間に立って利害調整にご苦労されている会社も決して少なくないように見受けます。董事会が討論会や座談会になって当初準備した決議も出来ないケースが少なからず発生しているようです。何故でしょうか?
1.最大要因は、日中間の事前説明と根回しが不足している点にあるように思えます。
総経理の日常的な経営報告活動が不足していることに起因していると思えてなりません。合弁会社の大半は中方国有会社との合弁ですから、利害問題の調整作業は本当にコマメに行う必要があり、経営執行責任者に任ぜられた日方総経理はその任を負っています。又、総経理の任命者たる中方董事長への報告責任を担っております。それを出資比率でマジョリティを確保しているからとか、日常業務が多忙であるという理由で、後追い報告になっていないでしょうか。こうした関係を続けていると董事長と総経理の間に『相互信頼関係』など生まれるべくもありません。経営成果の良し悪しに関わらず、毎月1〜2回は必ず報告責任を果たして頂きたいものです。マイノリティの立場にある中方董事長とて、経営の結果責任を問われる立場に立っているのですから。
こうした関係構築を目指すのなら、まず副総経理との毎日のコミュニケーション、OJTが不可欠です。両者が一心同体にならないと董事長への説明、同意取り付けも望むべくもありません。副総経理は総経理の補佐の役割を担っていますから、しっかり自分の代言者になってもらうことです。それが出来ないと判った時には、直接董事長にアプローチを試みてください。総経理の話にも一理があると、理解してもらうまで説明を継続しなければ道は拓けません。出資者間で調整が必要な議題については、親会社の経営責任者の出馬要請もタイムリーに行い、妥結点を見出してもらわなければなりません。
2.董事長への説得が完了するまで、董事会日程など決定してはいけません。
前年度の決算、利益処分、今年度の事業計画等、董事会で決議しなければならない事項は数多くあります。これらの問題はひとつとして日中双方の親会社にとって、いつまでも放置できる問題ではありません。早晩、妥協点は見出せる筈です。その道筋が見えるところに到達するまでは絶対董事会日程を決定しないことです。
3.董事会の決議文書、添付資料は日・中両文で作成し、対中方パートナー説明は董事長、副総経理責任で一任しましょう。
董事長への同意取り付けが完了したら、他の中方董事への説明、同意取り付け作業は董事長と副総経理の責任事項と一任したらよいと考えます。ここまで辿り着けば、ほぼ90%準備作業は完了と考えられます。董事長から説得作業完了の連絡を受けた時点で、董事会日程を確定しましょう。
4.董事会の式次第を完璧に作成しましょう!
次は式次第の時間配分、議案提案者氏名、説明時間、担当通訳者、補足説明用PP原稿の有無、議決用紙、議事録作成者(日中各2名程度)を記入した式次第を策定下さい。総経理は完成された全資料の内容を確認し、一言一句誤りの無いことを確認してください。
上述の事前作業を行えば、日中双方から提起されそうな想定問題のQ&A集もおのずと作成できますし、回答者もどなたが最適者か、容易に決定することも出来ましょう。董事会当日は、議案書通りに一言一句復誦すればよいだけです。きっとスムーズな董事会運営が出来る筈です。
【ひとことアドバイス】
通常、年1回の取締役会兼株主総会なのですから、董事会はセレモニーの如く厳粛に間断なく進行させてください。セレモニーには綿密で周到な事前準備が不可欠です。一分の隙も生じないよう準備に万全を尽くしてください。本文にも書きましたが、投資家間のテーマは早めに本社の然るべき経営トップに連絡、出馬要請すべきです。それから、董事長や総経理の変更時や出資比率変更等、定款内容の変更は忘れず書面で役所へ届け出下さい。
〔提供:JETRO海外投資アドバイザー 北村 庄司〕 |
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| 〔困ったなあ、その2〕『税関との事前相談を怠りなく』2004-12-28 |
B社では、会社設立時に会社定款、F/S計画書、設備売買契約書などを当局に申請し、導入輸入設備については免税輸入が認められました。
もちろん生産設備の他にいくつもの金型設備や試生産材料も含まれていました。
免税通関を終えて入庫した金型類は日本国内と同様に協力工場に貸与しました。
協力工場との間に金型供与契約を締結し、自社用途にのみ使用することも明示していました。
ところが或る日、税関総署の役人が来て「これはケシカラン!輸入関税と輸入増値税を支払え。」と申し渡され、真っ青になってしまいました。
何故でしょうか?
これはB社が『自社生産用に用いる設備』と理解していたのに対し、税関総署の解釈は『自社生産用に用い且つ、自社工場内で使用する設備』と、より狭義な定義づけをしている為です。
税関の目には「仕入れコストを引き下げる目的で、協力会社の必要金型をあたかも自社設備として脱税輸入し、提供した」と映ったのです。
真っ青になったB社の総経理は、協力工場との間で締結した金型貸与契約書を示し、必死に身の潔白を訴えました。
最初は頑として耳を貸さなかった税関官吏も徐々に理解を示し、一旦、貸与した全ての金型をB社に戻し、転売の事実がないことを証明することで了解してくれました。
厳しい税関の照合作業を終えてヘトヘトに疲れ切った総経理は、書面による契約書の取り交わしを行っておいた身の幸運を密かに喜びました。
長年の協力関係もあって口約束で何事も済んでしまう日本国内と異なり、何事もすべて書面による契約や協議書の締結の重要性を身に沁みて感じたのでした。
B社の総経理は、改めて税関官吏に金型貸与の必要性を訴え、税関から正式に金型の協力工場への移動を認めてもらいました。
税関サイドも自らの責任を全うでき、安堵の表情で握手してくれました。
【ひとことアドバイス】
日本国内では何のためらいもなく行われる金型の社外への持ち出しも、中国に入れば免税輸入設備という取り扱いになり、税関としても厳しく管理しなければならないのです。
管理責任を負う税関職員のメンツにも配慮して、事前許可を周到に取得してください。
特に自社を管轄する税関と貸与先工場を管轄する税関とが異なるケースでは双方の税関の認可が必要となることを肝に銘じて対応して下さい。
なお、免税輸入設備は輸入後5年間、転売が禁止されていることはご存知ですか?
(根拠法:中国税関の外商投資企業輸出入貨物に対する監督管理と徴免税弁法第18条)
〔提供:JETRO海外投資アドバイザー 北村 庄司〕 |
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| 〔困ったなあ、その1〕『貴社の営業許可証は、今日現在有効ですか?』 2004-12-28 |
A社は合弁会社として7年の歴史を持っています。
残念ながらまだ累損が残っており、配当が開始できるには至っていません。
ますます市場競争が激しくなり、市場変化に即応するには経営スピードの迅速性を高める必要をひしひしと感じて独資会社への転換を図ることになりました。
幸い中国側出資者の了解も取り付けることができ、無事、董事会を開催し、中国側出資分の譲渡、独資会社設立の決議も承認されました。出席した董事全員のサインも終え、数日後には必要な申請書類一式を工商行政管理総局に届出することができ、総経理は漸く安心し、ホッと一息つきました。
数時間後、同局から戻ってきた総務課長から思いも寄らぬ報告を聞くことになりました。
「董事会決議は無効だそうです!」
暫くの間、総経理は茫然自失のまま怒り狂っておりましたが、10数分後には事態が飲み込めました。
過去7年間に日中双方で幾人もの正副董事長、総経理が交代していましたが、その都度、変更報告を怠っていたことが原因でした。
明らかに会社側の怠慢によるミスです。
会社設立時には法定代表者たる董事長と総経理の氏名を確かに届け出ていましたが、その後の交代は董事会で承認するだけで役所には何も書面報告していなかったのです。
さあ大変です。幾人もの方がすでにリタイアされ、中にはご退職後、海外居住されている元董事の方も居られました。
総経理は、役所に飛んで行って面会を申し込み、事情を説明しましたが、頑として受け入れてはくれませんでした。
すったもんだの末、過去に遡って変更報告書を後付で提出することを認めてもらえることになりました。
その後の一ケ月程の期間、本社との間でドタバタ劇を繰広げ、何通もの董事会決議書を取り揃えることができました。
二度と思い出したくない苦い経験でした。
【ひとことアドバイス】
工商行政管理総局は営業許可証をもらう役所―――こんな意識が強いのではありませんか?
外資企業の記録管理は、この役所で会社設立後も続いているのです。
この国では何事につけ書面による体裁を完璧に整えることが必須条件なのです。
多忙を極めている総経理は、「まあ、いいか。明日に延ばそう・・・。明後日にしよう・・・。」と日延べしている間に忘れてしまうのです。
そして、或る日突然、永年のツケがあなたを襲うのです。
董事長や総経理が交代したら、その都度、董事会の決議文書を添えてマメに届けておきましょう。
(根拠法:中外合弁企業法実施条例第7条、第11条)
〔提供:JETRO海外投資アドバイザー 北村庄司〕
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〔中国日本商会 事務局記〕 |
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