令第113号「外商企業建築業企業管理規定」の施行により、多くの外国企業にとってWT O加盟前よりも中国において工事を請負うことが難しくなった。これまでは、外国建設企業は資質等級が無く「外国企業工事請負資質証」を取得すれば、工事の規模に関係なく外国投資100%の建設工事を請負うことが出来たが、令第113号の施行により、外資投資建設企業が大型工事を請負うためには一級或いは特級資質を取得しなければならず、外資建設企業は中国国内での建設工事実績が少ないため現在のところ一級或いは特級資質を取得することは出来ない。
これまで日系企業が外資投資建設企業を設立にあたっての種々の問題点が挙がっているが、これらの問題点はWTO加盟時の議定書に違反しているかといえばそうと言えるものは少なく、議定書で述べられていない部分での運用問題であり、中国の国内法との絡みもあり問題は複雑である。これらの問題を下記に列挙し、その改善案を述べる。
1.資質等級申請に当たり、施工実績について「外国企業工事請負資質証」に基いてこれまでに施行した中国国内での工事実績と外国において中国建設業者と連合(下請けを含む)して施行した工事実績のみを施行実績と認めるというのが建設部の意見である。
改善案;
これはWTO加盟前に外国での施行実績を加味するように要求していたので、再度外国の実績を認めるように要求すべきと思われる。
2.建設工事の元請企業は建築主体工事の施行を自ら完成させなければならないとなっているが、この項目が、建設業を設立するのに多くの人間を抱えなければならない主要因になっていると思われる。
改善案;
外国においては、一つの建設工事をそれぞれの専門業者に下請け発注するのが一般的で、これが建設工事の品質向上に大きく寄与しているので、建設の国際化に伴い「建設業法」の改正を望む。
3.企業設立時にそれぞれの資質等級に応じて企業が保有する技術者、管理者の数が指定されているが、これが外資投資建設企業設立に当たり大きな障害となっている。
改善案;
建設工事をそれぞれの専門業者に下請け発注することにより、保有人員は技術レベルが高度の技術者、及び施行管理者がいれば建設業として十分な機能を果たすことが出来るので、保有人員数は少なくすることが出来る。
4.一つの建設工事を数社の連合体で請負うとき、連合体を構成する建設企業の最低の資質等級に応じた建設工事しか請負が出来ないというのも不合理である。
改善点;
一つの建設工事を数社で請負う目的の一つとして、連合体を構成する各企業の長所を生かして請負を行うもので、その内一社の資質等級が低いということで請負えないとなると施行価格に競争力がなくなるので、連合体のリーダー企業が当該工事を請負える資質を保有すれば請負える様に改善を望む。
5.有資格者に関して、資格は中国国内において登録した資格となっているが、これについては、外国においても各種の建設技術者の資格があるので、それぞれに対応した資格を認定すべきと考えられる。
令114号「外商投資建設工事設計企業管理規定」の施行により出てきている問題点は、下記のとおりである。
外商投資建設工事設計企業が建設工事設計企業資質を申請する時、外資投資建設工事設計企業の場合は、中国で登録した建築士、登録技術者の資格をもつ外国サービス提供者の数は、それぞれ資質等級別基準で規定する人員総数の4分の1を下回ってはならない、となっていて、日本の設計会社が外資投資建設工事設計企業を設立しようにも、外国人の数が多くなり、コストが掛かり競争力が無くなる為、設立できないという情況がみられる。
改善点;
外国企業が外商投資建設工事設計企業を設立し易くする為に、外国人サービス提供者の数を指定すべきでない。各社の企業努力にゆだねるべきである。 |