第Ⅱ部 個別産業の動向
第1章エネルギー

1.石炭

(1)中国石炭状況

 ①中国石炭の一次エネルギー消費に占める割合は、1997年72%から2001年には65%に低下したものの、2003年は70%(見込み)に増加している。今後、2015年にかけ60%程度へ低下させる計画であるが、絶対量は増加していく。

 ②石炭生産は、1996年をピークに過剰生産に陥り、小規模炭鉱・違法炭鉱・不採算炭鉱の閉鎖など生産調整を行い、2000年には9.5億トンと徐々に減少してきた。その後、中国国内の電力・鉄鋼・セメント用需要の大幅な増加により、2003年の石炭生産量は16.7億トン(前年対比+2.8億トン)と2年連続で2億トン以上の伸びを記録している。

 ③中国の石炭生産量推移                   (単位:億トン)

 

1998

1999

2000

2001

2002

2003

石炭生産量

12.33

10.23

9.51

11.06

13.93

16.67

(出典:経貿委発表値、03年は速報値)

④世界トップ4の石炭生産量                 (単位:億トン)

 

中国

アメリカ

インド

豪州

2001年

11.1

9.9

3.4

3.3

2002年

13.9

9.8

3.6

3.8

(出典:IEA資料)

(2)2003年の石炭政策と実績

①生産量:13.5億トン→16.67億トン
②輸出量:9,000万トン→9,388億トン(通関統計の実績)
 輸出量の9,388億トンは、生産量の約5%程度の規模であるものの過去最高レベルの実績。中国国内の経済発展に伴い電力・鉄鋼・セメント用の需要が増加し、生産量も増加したが、冬場に入り需給が急激にタイト化。11月以降は、在庫が空になる発電所がでるほど、供給不足が深刻化した。中国の華南エリアでは、発電用炭として豪州・インドネシア・ベトナムなどから約1,000万トン程度輸入している。

(3)2004年の石炭政策

①輸出量:8,000万トン
②小規模違法炭鉱の取締り強化
③ 2004年の見通し
  石炭の需要は、中国国内の好調な経済発展に伴い、電力・鉄鋼需要増で約1億トン増加すると予測される。引き続き需給はタイトに推移し、輸出量は、減少すると思われる。(現在、輸出量を8,000万トン以下に削減することが予定されている)

 

④中国の石炭需給推移表                  (単位:百万トン)

 

2000年

2001年

2002年

2003年

02年対比

生産

951

1,090

1,393

1,667

+274

需要

924

1,032

1,295

1,500

+205

輸出

59

86

84

94

+10

輸入

2

3

11

11

+0

在庫

140

115

140

110

△30

(出典:経貿委発表値、03年は速報値)

 

(4)日本との貿易

①中国の石炭輸出企業:4社
 中国煤炭工業進出口集団公司・山西省煤炭進出口公司・神華集団公司・中国五金鉱業進出口公司の4社が輸出公司として海外に輸出を行っている。日本向けは中国煤炭工業進出口集団公司がメインである。

 中国炭の日本への石炭輸出量は、2001年には25百万トン、2002年には29百万トン、2003年には31百万トンと増加しており、日本にとって重要な輸入ソースとなっている。

②日中長期貿易協定
 中国炭の輸入は第一次石油ショック後の石炭見直し機運のなか、国内炭保護のための輸入禁止措置が1974年に緩和されたのに伴い開始された。LT貿易は1978年から第一次LTが開始され、今年で25年目に当たる。略称のLTはLong Termの意味であるが、同時にかつてのL(Liao Cheng Zhi)T(高碕達之助)取り決めを想起して名付けられたとのこと。現在、2001年4月から2006年3月までの5年間(前回も同様)が締結されている。

③日本の国別石炭輸入量                   (単位:百万トン)

 

豪州

カナダ

ネシア

中国

ロシア

アメリカ

その他

合計

2001

90.9

10.1

16.8

25.1

5.6

2.2

4.0

154.7

2002

90.4

9.1

18.6

28.8

6.4

0.7

4.3

158.3

2003

94.4

9.2

21.3

30.7

7.6

0.7

2.5

166.4

2003シェア

56.7%

5.5%

12.8%

18.4%

4.65%

0.45%

1.5%

 

(出典:財務省貿易統計)

(5)WTO加盟の影響

 石炭業界に対して、短期的な影響は無いが、長期的には以下のような影響が考えられる。

①海外からの炭鉱開発の投資が促進。
②輸入関税の引き下げによる沿海省を中心とした海外炭輸入の増加。
③中国では現在石炭輸出権を所有している公司は前述の4社であるが、WTO加盟に伴い4社以外にも輸出権が与えられることが予想される。

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