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2.石油
(1)総括
2003年は、積極財政による公共工事、民間資本投資が急速に拡大、石油(石化、化学も含む)製品に対する需要(特に、自動車、建材等の分野)が急増し、製品価格も上昇した。また、この旺盛な需要を満たすべく大量の原油が輸入されたものの、国際原油価格が1年を通じて高い状態を維持したため、原油生産部門は潤沢な利益を計上した。よって、石油(石化、化学含む)業界全体として史上最高水準の収益を上げた。なお、中国は本年、日本を抜いて世界第二位の石油消費国となった。
①経営
販売収入:18,005億元(26.4%UP)
税前利益:1,763.7億元(43.6%UP)
利益構成比 石油天然ガス開発関連:70.5%
石化・化学関連:23.9%
石油精製関連:5.2%
②生産
原油:1億6,931.9万トン(1.5%UP)
天然ガス:341.3億立米(6.8%UP)
原油処理量:2億4,255.1万トン(10.8%UP)
③貿易
貿易額が初めて1千億ドルを突破、1,133.5億米ドル(33%UP)
輸入:814.7億米ドル(35.1%UP)
輸出:318.8億米ドル(27.9%UP)
*輸入のうち、原油が24.3%を占め、198.2億米ドル(55.4%UP)
(以上、出所:国際石油経済2月号、上記括弧内は対前年比である。)
(2)主要トピックス
①国家石油備蓄計画
35日分の備蓄を目指し、山東省黄島、浙江省舟山等で石油備蓄基地の建設を本格的に進めることが決定、国家発展改革委員会内に国家石油備蓄弁公室が創設された。
②アンガルスク~大慶原油パイプラインPJ
03年5月胡錦涛国家主席に随行しロシアに赴いたCNPC・馬富才総裁はユーコス石油と基本協議書に調印した。ただし、日本が提出したアンガルスク~ナホトカラインと競合したため、どちらを採用するか、その最終決定はロシアの大統領選以降とのことである。
③<西気東輸>天然ガス
10月1日<西部大開発>プロジェクトの目玉である<西気東輸>計画の第一期工事である陜西省長慶~上海間が完成し、試験輸送を行って最終目的地である上海へ天然ガスを到達させた。(パイプラインの距離:1,485km)
④大慶原油減産
これまで5,000万トン/年以上の生産量を維持してきた大慶原油も04年をもって減産することに決定した。併せ、04年以降の輸出増値税還付の廃止に伴って日本への輸出も終焉を迎える模様。
⑤原油輸入量の増大
原油の輸入量が9,112.6万トン(19%UP)となり、消費原油の1/3以上を輸入に依存する輸入大国となった。04年は更に増加し、1億2千万トンに達するという試算も出ている。
⑥製油所処理能力の強化 SINOPEC鎮海石化は精製能力を1,600万トン/年にUPし、中国最大の製油所となった(日本で言うと3番目クラスのキャパ)。更に、高橋石化、蘭州石化、撫順石化等もその能力を1,000万トン/年にあげ、中国全体で1,000万トン/年クラスの製油所は6カ所となった。
⑦03年中国企業ベスト500
02年の売上高を基準に選ばれる企業ランキングで中国の2大石油メジャーであるCNPCとSINOPECが1、2位を独占、石油業界の経営規模の大きさを示す結果となった。
⑧ガソリン、軽油不足
年間400万台を超える自動車生産に伴い、ガソリンや軽油の需要が激増、また、03年後半に起こった一連の電力不足、石炭不足の影響を受け、発電燃料用軽油への需要が沸騰した。広東、福建等の南方地域ではこの現象がとりわけ顕著で、ガソリンスタンドのガソリンや軽油がなくなるという状況が頻出した。
⑨重慶ガス漏れ事故
12月23日に発生した重慶市開県にあるCNPC四川管理局傘下天然ガス田での硫化水素噴出事故は234人(その殆どが近隣の農民)の生命を奪った。この事故は、その後、多くのメディアで取り上げられ、CNPC上層部が批判されるという石油業界がこれまでに経験したことのない事態となった。
(3)2004年の展望
過熱とも言える経済状況に当局がどの程度調整を加えるかにもよるが、7~8%程度の経済成長であれば、自動車、建材、通信等の産業も相応の成長を実現し、よって、石油(石化、化学を含む)製品に対する需要は引続き伸張するであろう。
また、国際原油価格が大幅に低下するという要因は現在のところ殆ど推測できず、原油生産部門は大幅な利益を見込むことができると思われる。
年末にはWTO加盟で約束した小売市場の開放が待っているが、<石油関連産業における外資への無条件の開放はない>というのが当局筋の見解である。
しかしながら、政府部門は<外資の攻撃に対抗する>という大儀を掲げることで、中国石油業界の団結と強化を図り、市場の安定と着実な税収を確保すべく、内部的には引続きかなり強力な指導が行われるものと思料される。
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