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2.国際航空貨物代理 (1)2003年の回顧
イラク戦争問題に始まり、SARS問題、輸出増値税還付率の変更通知等、国際航空貨物に直接、間接的に関わる様々な事が起きた中、9%以上のGDP数値を残し貿易総額も、8,512億米ドル(前年比37%増)と過去の伸び率としては最高の数値を残している。
輸出貿易額は4,484億米ドル(34.6%増)
輸入貿易額は4,128億米ドル(39.9%増)
これを地域別に分析すると、国際輸出入に関わる中国税関、全41箇所の中で上位10箇所で全体の85%のシェア-を占めており、上海の貿易総額は北京のそれよりも約8.7倍で輸出のみを取り上げると、なんと約14倍以上の輸出取り扱いを行なっている。
上位10税関での輸出入貿易総額が全体に占める割合は、輸出が87%、輸入が82%とほぼ殆どの輸出入がこれら税関にて処理をされていることが伺える。(下記、表①参考)
又、この10税関の内、輸入貿易額が輸出貿易額を上回っているのは南京のみで、現時点では輸入偏になっているが近い将来他の地区と同様に輸出総額が上回るであろうかと考える。因みに首都北京の数値は全体の貿易額別のシェアーの2.7%で輸入額が輸出額を大幅に上回っている。(輸出=7,929 Million US$, 輸入=15,280 Million US$)
因みに、北京の順位は代12位で天津の約50%。
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税関別貿易額ランキングリスト 2003年 |
単位:百万US$ |
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都市 |
輸出総額 |
輸入総額 |
総額 |
シェア- |
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1 |
上海 |
112,243 |
88,882 |
201,125 |
24% |
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2 |
シンセン |
79,830 |
66,532 |
146,362 |
17% |
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3 |
南京 |
27,011 |
46,025 |
73,036 |
9% |
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4 |
黄浦 |
36,655 |
35,522 |
72,177 |
8% |
85% |
5 |
青島 |
27,685 |
23,910 |
51,595 |
6% |
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6 |
天津 |
25,945 |
20,207 |
46,152 |
5% |
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7 |
広州 |
21,497 |
18,591 |
40,088 |
5% |
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8 |
宁波 |
18,864 |
15,053 |
33,917 |
4% |
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9 |
大連 |
17,851 |
13,820 |
31,671 |
4% |
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10 |
アモイ |
17,182 |
10,346 |
27,529 |
3% |
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総額 |
438,371 |
412,836 |
851,207 |
100% |
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表①(中国海関統計12月号より抜粋)
<輸出>
中国発の品物を品目別で見ていくと、昨年同様にDVDプレーヤー、携帯電話、パソコン、半導体関連、IT機器関連及び家電製品が主力となっており中国発の輸出全体の数値を押し上げている。DVDは37%、携帯電話関連は約40%、半導体関連は54%、パソコン関連にいたると278%とすばらしい伸び率を示している。因みに中国発輸出品の中ではパソコン関連の伸び率が最も高い。
凡そ14の種類に分けられる中国発輸出品の貿易形態からみると、輸出貿易総額の84.3%を一般貿易(前年比33.7%)及び進料加工貿易(前年比41.6%)の2種類で占めている。但し、伸び率のみでみていくと保税区倉庫を利用した貿易額が前年比68.7%と伸びており、現在のトレンド(外高橋保税区等の保税区を利用した物流)を克明に反映してる。
また、企業形態別では外商投資企業群の中では、外商独資企業が約61%を占めており伸び率は51.8%で、上海市の外商独資企業の輸出貿易額は102.2%とという驚異的な伸びを示している。
<輸入>
品目別では輸出同様にIT関連機器、半導体製造に関わる周辺機材関連及びその材料関連が大幅に伸びている。
輸出と同様に、多面的に比較すると、
- 貿易形態別では輸出と同様で一般貿易、進料加工貿易の2種類で75.5%。
保税区倉庫を利用したものも87.3%。
②企業形態別では、外商独資企業がやはり61%を占めており伸び率は55%。
③地区別での特徴としては、北京市の伸び率が142%と最高を示している。
因みに、日本からの中国への航空輸出の伸びを重量ベースで比べると日本発全世界向けの2003年の重量の伸び率が109%に対して中国向けは149.9%と飛びぬけている。(実質重量は9万5千トン強)
参考用にその他の伸び率の高い仕向け地国は
インドネシア向け = 130.3%
インド向け = 124.7%
東欧向け = 126.8%
ネガティブな材料を抱えてのスタートであったが、結果としては逆境を跳ね返して、過去最高の伸びを示した。前述の様々な数値は現在の中国そのものを映し出しており、沿海大都市への外資系企業の新規進出は依然とどまるところを知らず、以前から進出している企業は世界の工場としての機能を満遍なく発揮し始めた。又、内陸部都市への進出も遅ればせながら始まっていることを読み取ることが出来る。
世界の工場としてのみではなく、巨大消費市場というもう一つの顔を持つ中国での各外資系企業が、様々な規制緩和にあわせて、続々と進出する波は暫くのあいだとどまるところがないようである。
しかしながら、“大西部開発”を提唱した朱溶基前首相の構想も中途半端になっており、既に2,500億元の投下を行なったものの成都税関では全体の貿易額の0.29%、重慶税関ではその0.21%、西安税関では0.13%と、3箇所での総貿易額は上海の総額の3.0%のみしかなく、沿岸地域と内陸部との差がますます大きくなりつつある。
この様な環境下、航空貨物業界(特に外資系)も顧客のニーズに沿った“中国内の世界の工場への部材輸入及び、海外への製品輸出“のみならず、巨大国内マーケットを狙った中国内物流のネットワーク作りを急ピッチに行ない始め、本来の航空貨物輸送業務のみならず輸入通関後、もしくは保税のまま蔵置し“必要なものを、必要なところへ、必要なときに配送できる”所謂、ロジステックプロバイダーとしての機能を重視し始めた。
その結果(未だ途上ではあるが)競合他社との差別化を図りたいが為の投資(ネットワーク設置、ハードウェア-の充実等)及び、熾烈な低料金合戦が繰り返され、各企業の利潤の低下を早めている。又このフォワーダーによる投資が大都市に偏っているために物流の面でも内陸都市との格差が益々広がりつつある。
他方、国際ネットワークを持たぬ中国系企業は国際空港内貨物業務、それに対する投資、中国国内物流等に狙いを転換させており、外資航空貨物企業が未だ手を出していない領域へ参入し始めている。
又、外資系企業との競争には太刀打ちできない、他の領域にも参入できない企業は同じ中国系企業で間での合弁、連携を、もしくは彼らの強みを生かし外資系企業との連合を模索始めている。
2002年度、中国全土で対外経済貿易合作部(現商務部)にて批准された国際貨運代理企業数は3,700件にものぼり、総就業員人口も30万人以上になっているが、これらの企業のうちかなりの数が合弁等によりこの業界より去らなければならぬ動きが出始めた。
(2)2004年展望
①2004年はWTO加盟時に約束した多くの事項の節目の年であり、特に貿易権の開放が大いに国際航空貨物業界に影響を与えることになるであろう。
勿論、開放といっても誰でもというわけにはいかなく、申請許可制が登録制度になるものであり、その登録の為に様々なハードルが予想される。しかしながら、今後輸出入業務を行なえる企業が大幅に増えるのは間違えなく、その結果物量の増大→競争の激化→資金繰りの悪化→倒産という、過去中国航空貨物業界が経験した事が再度おこりうるのではないかと予想する。
②中米、中欧との貿易不均衡の差がますます拡大の一途をたどり、“中国発の飛行機は貨物で一杯になり、逆に中国向けの飛行機はガラガラ状態“という状況が極端に現れてくる。
③先進諸国と比較すると、各空港内でのインフラ整備は勿論の事であるが、国際貨物を取り扱う為の国際的な常識(ノウハウ)が貨運代理企業のみではなく、航空会社、各空港税関、グランドハンドリング会社等、国際航空貨物に携わる企業、及び輸出入企業内(所謂荷主企業)で今後益々必要になってくる。
2002年から開始された、“全国貨運代理企業”従業員資格テスト等も重要度をましてくると思われる。 但し、第一回のテストに合格した人数の全体就業人口に対する割合は、3.1%とまだまだ本来の航空貨物を取り扱い基礎知識を持っている人が少なすぎるし、テストを合格したとしてもその基礎知識を知識として身に付けている人材が少なく、外資系企業内部での教育が益々重要度をましてくる。
④航空フォワーダーに対する二重免許の問題、及び外資企業によるマジョリティー規制の問題に関しても、外資企業参入の足かせとして未だ存在しているため、近々に緩和、法整備が行なわれるであろうし、中国貨運代理協会に権限が委譲されていくのではないかと予想される。
二重免許の問題:
中国にて航空フォワーダー業を行なう場合には、
- 商務部主管(旧、対外貿易合作部)の“貨運代理免許”の取得。
- 民航総局主管の“一類販売代理免許”の取得。
の2つの免許取得を義務付けており、その取得を行なわないと100%の自社取り扱いが出来ない。
マジョリティー規制:
WTO加盟時の約束事のひつとして、商務部は2005年12月までに100%外資企業を許容している。しかしながら、民航総局の一類販売代理免許取得規定には外資方のマジョリティー(50%)を規制している。
つまり、外資系企業が本来の貨運代理企業として活動するためには、その出資比率を
50%を超える事は出来なくなる。
⑤国際運送とともに、国内運送(航空貨物として)を必然的に手がけなくてはならなく、民航総局の二類販売代理免許を取得 する外資系企業も増えてくるであろう。
⑥“保税”に対する概念がどんどん変化しており、全中国にある15箇所の保税区、38箇所の輸出加工区(2003年3月27日時点)、 一部開発区をも飲み込むであろうBonded Economic zone (もしくは物流園区)の構想が着々と出来つつあり、保税での保管、国内輸送が国際航空貨物取り扱い沿線上の重要な位置付けを持たされることは近い将来必ずあるかと考える。
最後に、中国物流技術標準化協会も総合物流業の一つのコアになる、保管、物流加工等の事業に対する評価基準を模索し始めており、我々”Total Logistics Service Provider”として国際航空輸送のみならず、様々な事項に対するこの中国での貢献を期待されており、“金”の投資のみではなく、特に他国で養ったノウハウの教育という重要な投資が必要な年になるのではなかろうかと考える。
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